中国上場企業のピラミッド型所有は是か否か。

企業の所有構造を見ていると、最終的な支配株主から上場企業の間に何重も子会社がつらなっている所有構造をピラミッド型所有と言います。企業統治の研究が進むなかで、こうした所有形態を通じて、最終支配株主は自分が上場企業に持っている所有権(利益請求権)を上回る決定権(議決権)を持つことができ、それが上場企業の企業価値、そして少数株主の利益を侵害する意思決定を行う可能性があることが指摘されるようになりました。ラテンアメリカ諸国などでは、法制度の歴史的な源泉から、議決権と利益請求権が分離する状況がひろくみられ、その結果として、企業価値全体もしくは少数株主の利益が侵害が起きていると指摘されていました。

このピラミッド型の状況は、アジアの財閥やラテンアメリカの財閥によくみられる形態で、アングロサクソン法ではなく、大陸法の地域によくみられる、とされています。

このブログページを整えるのに、自分の文章を整理する作業をしていたら、だいぶ前に中国語で発表した論文がそれなりに引用されているのに気づきました。そして、その論文が注目した「ピラミッド型所有構造」もしくは「意思決定権と利益請求権」という同じ現象に注目しながら、知人がまったく逆の結論を導き出している論文があるのに気づきました。その結論から導き出される政策的な提言は、なんだかいまの共産党の方針に沿ったのものに多少無理やり合わせているように感じがしました。ただ、わたしの分析とは違うアプローチで、所有制による違いをあぶりだしているので、これは勉強になりました。知人には、今度機会があったら議論しよう、とメールをしました。一読したところ、技術的には向こうの議論のほうが少し無理筋な感じがして、なんだかもやもやしました。

渡边真理子, 国有控股上市公司的控制权、金字塔式结构和侵占行为——来自中国股权分置改革的证据, 金融研究  2011年第六期。

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